平成25年11月1日
公明党会派視察
全国 自治体病院経営都市議会協議会主催の地域医療政策セミナーに参加して
(都市センターホテルにおいて)
演題 ①「社会環境の変化を見据えた病院建設と運営 全室個室の病院が意味するもの」 長崎県済生会支部長 荒木信夫氏の講演
済生会長崎病院は、無料定額診療事業・生活困窮者支援事業を柱として行う、病床数230床、医師17人で経営される療養型の病院だった。
病院そのものは非常に古く、また経営状態は赤字状態であった。
その病院を建て変えるにあたり、療養型から全く性格の異なる超急性期病院として生まれ変わることになった。
しかも公的病院としては、全国初となる全室個室を実現したのである。
その結果事業収益は、急速に回復し黒字に転換する。なかでも急性期リハビリが、営業収益に大きく貢献していた。
医師は今現在47人で少し足りないらしいけれども、かなりの人数が確保されていた、医師、看護師確保について話を聞きたいところだったが、今回は建設が主たる演題であったため聞くことができなかったのは残念だった。
この辺りの話と、全室個室で経営されている病院を実際に見ることが必要と思われた。
出雲の総合医療センターの再生に必要なものは何か?今の公立の全部適用の形態でいいのか、そのことを改めて考えさせられた講演であった。
②「地域医療と自治体病院」 高知大学医学部家庭医療学講座教授 阿波谷 敏英
自治体病院の経営は苦しく赤字があっても仕方が無い、但し赤字の内容は吟味する必要がある。
自治体病院の経営は国保会計とも連動しており、病院経営が改善をすれば国保会計が赤字となり、国保会計が改善すれば病院経営が苦しくなる、そういう相関関係を少し考える必要性の問題提起をされた。
総合医療センターが、出雲市の基幹病院として唯一存在する病院であるならば、当てはまる話ではあるかもしれないが、しかし出雲市の場合多くの病院が存在し、総合医療センターが、自治体病院として存在しなければならないという理由が乏しくなっていることも事実である。
公立病院と言う体質が、赤字を生む土壌となっているならば、出雲市において存在価値はないのかもしれない。
公立病院としての存在意義を検証する時期が近づいていると感じられた講演であった。
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