出雲ローカルサーファー

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2010年3月21日日曜日

外国人参政権付与のQ&A


Q1.なぜ、日本に住む外国人に地方参政権(選挙権)を与える必要があるのか?

A1.我が国には、多くの外国人が居住し、日本人とともに社会生活を営んでいるが、とりわけ大韓民国国民など朝鮮半島由来の外国人が我が国の永住権や特別永住権を取得して多数居住しており、その総数は、58万9千人(2008年末現在)にものぼり、在日外国人総数の26.6%を占めている。
これらの人のうち、75歳以上と推定される一世は全体の6.1%、3万7,052人,二世から四世までが91.6%、4歳以下の五世が2.3%、1万3,934人、永住している(2006年現在)。この二世以下の永住者は、日本で生まれ、育ち、学び、結婚をして子をもうけ、事業を起こし、そしてこの国に骨を埋めていこうとしている人たちであり、生活実態は日本人と全く変わらない。
公明党は、これらの事情に鑑み、これらの方々が望むならば、許される範囲において日本国民に近い扱いがされてしかるべきであるとの思いから、これまで、永住外国人地方参政権法案を5度にわたって提案してきた。
さらに、公明党は、多文化共生社会を目指している。税金を納め、地域住民として地域で様々な役割を担っている永住外国人にも、その地位向上のために、地方参政権を付与し、地域発展のために貢献してもらうことがよいと考えた。


Q2.公明党の法案提出までの経過を教えてもらいたい。

A2.1998年(平成10年)に初提出。翌1999年(平成11年)10月4日、自由民主党、自由党及び公明党との間の三党連立政権政治・政策合意書には、公明党がそのとき既に衆議院提出済みの永住外国人に対する地方選挙権付与法案について、一部修正等を行った法案を、改めて三党において議員立法で成立させると明記され、公党間合意が成立している。
又一方、大韓民国においては、2005年7月に永住資格を取得して3年以上経過した19歳以上の外国人に対し地方選挙投票権を付与することとなり、2006年5月31日の韓国統一地方選挙からこれが適用されている。こうした大きな状況変化のなか、修正を加えながらこれまで同法案は5回提出されてきたが、いずれも廃案となっている。


Q3.公明党提出の法案の要点を教えてもらいたい。

A3.第一点は、「相互主義」を採用していること。相互主義とは、外国人に権利を与えるについて、その外国人の本国が同様の権利を与えることを条件とする法制である。
大韓民国が日本人である永住者に対し地方選挙権を付与する法律を施行したことに照らし、本法では、外国人たる永住者及び特別永住者に対し、地方選挙権を付与することとした。
第二点は、選挙権の付与に「申請主義」を採用し、永住外国人選挙人名簿への登録を取得の要件としたこと。
 選挙権の取得を望み、かつ、有権者として日本の地域社会で一定の役割を果たしていく意思のある永住外国人に限りこれを与えることとし、一律に選挙権を与えるのでなく、永住外国人選挙人名簿への登録を申請し、これが登録されて初めて選挙権が付与されるという形の申請主義を採用した。
第三点は、選挙権を要件とする各種資格、すなわち、人権擁護委員や民生委員等への就任資格や、条例の制定、改廃、地方議会の解散及び議員、長の解職を求める直接請求権はいずれもこれを付与しないこととしていること。この構成は、廃案となった法案をめぐる反対論を考慮したもの。
この法律により地方選挙権を付与される者の要件は、
  永住者または特別永住者であって相互主義の要件を満たす国籍を有する者であること
② 永住外国人選挙人名簿に登録された年齢満20歳以上の外国人で、引き続き3か月以上同一の市町村の区域に住所を有する者であること
    となっており、そのほか、詐偽登録及び所定の届け出の義務を行わなかった者に対する罰則を規定する等、所要の規定を定めている。


Q4.外国での参政権付与の状況は?

A4.確認できる限りで、世界の約40か国が何らかの形で外国人に参政権を付与している。たしかにアメリカでは、一部の自治体を除いて外国人に参政権は付与されていないが、アメリカは国籍取得について生地主義を採用しており、しかも重国籍については消極的ではあるものの認められているため、移民の二世についてはアメリカ国籍の取得が可能で、外国人の参政権を求める声が大きくならないと言われている。OECDに加盟している30か国のうち、外国人参政権も重国籍も全く認めていないのは日本だけである。
スウェーデンにおける外国人参政権付与は、移民流入の奨励のためではなく、移民労働者の積極的受入政策を止めた以降に、定住するようになった人々に対する内外人平等政策の一環として導入されたものであるという説が有力である。


Q5.民主党などが閣法で出すと言われているが、公明党の対応は?

A5.公明党は永住外国人の地方参政権の付与に関する法案をこれまで5回提出したが、いずれも廃案になっている。衆参で過半数の賛成がなければ法案は成立しない。民主党内および与党三党の合意形成の状況を見守りたい。政府が閣法を提出してきた場合には十分な審査を試みた上で賛成する方向。


Q6.永住外国人への地方参政権(選挙権)付与が禁止されないとした最高裁判決は、あくまで「傍論」(判決の結論とは直接関係のない、単なる裁判所の意見表明)にすぎず、判例としての効力はないのではないか?

A6.平成7年2月28日の最高裁判決は、その本論において、憲法は「我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない」とする一方、傍論において「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない」としている。
これは、本論で、参政権の付与を憲法は「要請」していないことを明らかにしており、傍論で「禁止」していないことを明言しているので、結果として、憲法はこの問題についての判断を立法府に委ねており、法律によって外国人を排除しても、また外国人に選挙権を付与しても合憲であるとする「許容」説に立っていることがわかる。
たしかに傍論は判例拘束力を持たないものであるが、法令の最終的な有権解釈を行なう機関の意見であるからきわめて強い影響力を持つと考えている。


Q7. 在日韓国・朝鮮人は約59万人もいるのに対して、在韓日本人永住者はまだまだ少ない。数の上でとても対等とはいえず、相互主義など成り立たないのではないか?

A7.在韓日本永住者は近年増加しており、2010年6月に予定されている統一地方選では2000人程度の在韓日本人が選挙権を有することになると推定されている。
歴史的にも深い関係にある国同士の間で、相互の国民に地方の参政権を付与しあうということは、十分に合理的な根拠を有することである。
また、少なからぬ日本人が日本国籍のまま世界各地で生活しており、彼らに相応の権利が与えられることを望むならば、相互主義の観点から外国人の権利を重視するのは当然である。


Q8. 日本在住の外国人が参政権を望むというのであれば、帰化するのが最も自然である。参政権がほしければ帰化すべきだと思うが?

A8.故国の国籍を一つのアイデンティティとして大切に守り抜こうとしている外国人が、生活基盤を置く町で日本人と同様に住民の義務を果たし、地域の共同体に参加しようとするなら、住民としての権利は保障されて当然ではないか。
また、在日韓国・朝鮮人が帰化する場合にはいくつかの障害がある。第一に、日本による植民地支配以来の経緯がある。国籍選択の機会も与えず、一方的に「外国人」にしておいて、今度は「帰化」すればいいというのは身勝手な論理である。
第二に、帰化の際の氏名の問題がある。帰化後の氏名は、原則として常用漢字表・人名漢字表等に掲げられる漢字またはひらがな・カタカナ以外は使用できないとされており、今の制度では、鄭や崔や姜は姓を変えて帰化手続きを踏まなければならないが、これでは「同化主義」と批判されてしまう。さらに、韓国は夫婦別姓であるため、夫婦が帰化する場合は、少なくとも夫婦のいずれかが改姓を強いられることにもなる。


Q9.世論調査の状況は?

A9.産経新聞でもサンプリングを行った世論調査においては、「実現すべきだと思うか」という問いに、「思う53.9%/思わない34.4%09.11.24)」、「動きに期待するか」という問いに、「期待する40.5%/期待しない46.7%10.1.19)」と賛否が割れている。
なお、毎日新聞の世論調査では「賛成59%/反対31%(09.11.24)」、朝日新聞の世論調査では「賛成60%/反対29%(10.1.19)」と賛成が多数である。


Q10.選挙権をもった「特別永住者」や「永住者」がまとまって特定の自治体に住民票を移せば、その自治体は在日外国人に乗っ取られることになりはしないか。例えば、市議選ではある程度まとまった数が転入すれば、数議席は獲れるだろうし、市長選でのキャスティング・ボートを握ることも考えられるが?

A10.現在議論されているのは選挙権の付与のみであり、被選挙権は付与しない。首長や議員になるのは日本国民に限られている。外国人が議会での採決でキャスティング・ボートを握ることはありえない。


Q11.沖縄の在日米軍基地問題にみるように、地方政治と国政は密接に関係している。地方参政権のみ付与といっても、国政に影響を及ぼす事態も考えられないか?

A11.地方議会の条例制定は、「法律の範囲内」で行うこととされているので、外国人に選挙権を保障することにより外国人の意向を反映する条例が制定されても、その内容が法律と矛盾する場合には、制度上つねに法律の内容が優越するので問題はない。
また、地方自治体が国に代わって行う事務は「法定受託事務」と呼ばれ、万が一、外国人の影響で、知事が国の意向に反する判断をしたとしても、最終的には代執行(地方自治法第245条の8)などの措置により、国の意向が優先することとなるので、外国人に選挙権を付与しても問題はないと考えられる。



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